金曜日の夜をめざして

一人暮らしのリハビリ中アラサー。うつ病とか発達障害とかいろいろ

躁うつ病は甘え…なわけないし、絶望的な精神障害であることを伝えたい

躁鬱病双極性障害(2型)であることを前提に就活したり周囲の人と接したりする私ですが、この疾患への理解というのは恐ろしく低い。

 

うつ病はなんとなくぼやっと形が決まってきたかもしれないけど、躁うつ病はまだまだ妖怪のような病気と思われている。理解されないでしょう、中の人がころころ入れ替わる病気なんて、意味が分からないと思われるでしょう。それでも言いたい、甘えているわけではないのだと。

躁うつ病は甘えと言えたらよかったね

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うつ病ではなく躁うつ病なんですと言ったらだいたい言われるのは「うつ病よりましじゃん」ってことです。どういう理屈かといったら、うつ病はずっとつらいけど躁うつ病は「躁」のときは楽しくて明るくなれるんでしょ?だったらそっちのほうがましじゃない?ってことらしいです。

 

しかしそういうもんでもないと思います。うつ病はその場で倒れ込むようなものだとしたら、躁うつ病は落とし穴にぶちこまれるようなもの。ジェットコースター状態で、自分の精神が常に揺れ動いている。自分でさえ自分が何を考えているのかわからない。明日の自分がどういう中身になるのかわからない。天気や気圧である程度予想はできるかもしれないが、あくまで予想でしかない。

 

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日によって中身が変わる。それを自分自身でさえ予想できない。これが基本的に一生続く。

 

そんな病気、普通に考えてやばいやん。健康に程遠いですよ、ある日はひきこもりになり、ある日はスーパーサイヤ人になる。よく言われるのは「貝と神を繰り返す病気」です。やばいでしょ、普通に。当事者ももちろんのこと、周りの人間も地獄ですよ。

 

躁・軽躁にいる自分を自覚できない

何年も続いていたのですが、この症状がきわめてくせものです。うつはまだわかりやすいんです、苦しいしつらいし悲しいし動けないし、うつ病によくあるうつと一緒です。だから「今うつだな」って自覚しやすい。肉体的、精神的な苦痛でそれを実感できる。

 

ところが躁・軽躁にいる自分を知るのは難しい。だって悪いところが一見ないんですから。活発で多弁でめっちゃ元気。これを病気と認定するのは難しい。うつ病が治ったかのように見せかけて実は躁状態だったってこともあるそうです。なんせ元気だから医者にいちいち言わない。それどころか勝手に通院をやめる。元気ですからね。これを自覚するのは非常に難しい。

 

※ブログやSNSでやけにテンションが高かったり、!を多用してたり、(笑)が増えてたりする人がいると、軽躁状態に近いのかなと勝手に思っています。数か月前とは明らかに文面のテンションが違いますからね。

 

躁→鬱のつらさ

躁があるからまだましじゃない?って意見に対してはこれを言いたい。躁から鬱に叩き落されるのはめっちゃつらい。しんどい。躁状態で体力や気力を前借しているから、うつ状態でのエネルギー枯渇がとんでもない。「だったら躁のときに動かなきゃいいじゃん」と言われますが、そんなの自覚できてたらとっくに治ってるんですよ。この病気の怖いところは、知らない間に灯台のてっぺんまで走っていたと思ったら突然海に落とされるような滅茶苦茶さなんです。

 

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 だからこそ躁鬱がいわゆる「会社」で働くことはめっちゃ難しい。躁のうちに決めたあらゆることがうつでポシャる。全部投げ出して休職する。これ本人もつらいんですけど、周りもめちゃくちゃ迷惑なんですよね…

 

だってほかから見たらすごく活発だから色々任せていたのに突然うつだと言って引っ込む、そして元気になったかと思いきやまた暴れまくっていきなり消える。これで社会的信用を築くのはすごく大変。会社員として必要な「毎日出勤」のハードルさえ越えられない。めっちゃつらい。

 

基本的に生涯薬物治療でコントロールを行うのですが、完璧にはできないですね。血糖値みたいにはっきりした数字が無いし(せいぜい血中リチウム濃度くらい)経験則的に「そろそろ軽躁が来るかもしれない」と備えておくしかない。この病気がうつ病とは違う病気であることは、ご理解いただけたでしょうか。

 

は?元気じゃん!遊んでたじゃん!病気とか甘えでしょ!

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たしかに軽躁・躁のときはとんでもない状態になります。モラルに反する行動も「気づいたら」とっている。躁のときってあらゆるボーダーがなくなったように見えるんですよね。普段では踏み越えるはずもないところを平気で荒らしていく。浪費やら怒り(私はこれがかなり出ます。我慢していたものが躁のときに大爆発して絶縁したのが何回もあります)じっとしていられない、なんてことがよくあります。

 

躁でのやらかしは「遊んでいることをSNSに見せる」にもあると思います。知人はこれを何度もやっていたので「あいつ遊んでるじゃん!」と白い目で見られていました。その数か月後また鬱に落ちて退場していきましたが、「甘えじゃない?」「新型うつじゃない?(私は新型うつという言葉は好きじゃありません)」と言われていました。

 

躁で浪費・遊び散らしているのを見た人はわけがわからなくなります。そして信用を失います。それが躁うつ病のつらさです。遊んでいると誤解される(病状なのに自由意志の遊興と誤認される)から当然信用を失う。都合が悪い時だけうつになるなんて、便利な病気だね~って嫌味を言われる。これはきついです…

 

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 知人の例ですが、いろいろ風呂敷広げたあげく、何も片づけずに消えて行った人もいました。本人は死にそうなんですが、周りとしては迷惑千万なわけです。快活な人と思われていたのに一気に「気持ち悪い」って見なされました。躁鬱のしんどさは社会的信用を失う点にもあります。うつ病であれば右肩上がりをゴールにすればいいのですが、躁鬱はできるかぎりゼロベースに戻すことが勝負なのです。

 

社会的信用を失うとやばいくらい孤独になります。学生だと留年や休学、退学もありえるし、会社員ならもちろん退職もあります。自分が自分を信用できないように、他人も当然自分を信用してくれない。これは精神的にかなりこたえます。

 

自分で自分が絶望的に信用できない病気

自分の決断が正しいのか、判断がぶれていないか、周囲に迷惑をかけていないか、自分は今どのフェーズにいるのか、どうすればゼロに戻せるか…それを対策できる頭と体があればいいのですが、なんせ躁うつ病。自分がどこにいるのかわからないから、どうしようもない。うつならかろうじて対処できるかもしれないが、そもそもうつだと体がさっぱり動かない。そして躁では自分が躁の自覚が無い。もうやばいです。

 

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 この病気はいったいなんなんだろうと思いますが、「定期的に脳を乗っ取られる病気」と考えたらいいんでしょうか。自分が自分と思えないほど動き回ったり、普段なら気にもならないことに激怒したり、見えない何かが脳を勝手にいじくってくる、そういう病気と思います。

 

誰しも気分の浮き沈みはあります。うれしいことがあれば喜ぶし、悲しいことがあれば落ち込む。トリガーに対して反応するのは当然。ただ躁うつ病はそうじゃないんです。なんか知らんけど怒り出したり、急に寝込んだり、自分が自分でいられなくなるほど感情が上下する。程度が病的なんですよね。予防できれば一番なんですけど、今のところ対策は、リチウムを毎日律儀に飲んで、メンタルヘルスについて学ぶことくらいでしょうか…

 

知人がある躁うつ病の有名人のことを大嫌いで、常に「あいつはおかしい」「あんなクズ消えてくれ」って言っています。とても不愉快です。そんなつもりがなくても自分を攻撃されているようで気分が悪くなります。そしてこれが多分軽躁フェーズに入るとブチ切れるパターンになるので、距離を置くようにしています。カメの歩みですが、少しは学習したいのです…

 

躁うつ病は甘えじゃないし精神障害

甘えで済むのであれば、これほど簡単な話はありません。気分がいいときもこの先のことを考えて絶望することもありません。うつで沈んでいてもまた回復してきたら躁がくるのかと思ったらうんざりします。通帳を見張らないといけないし、衝動買いしないように小金だけで外出したり、ブランドの広告は絶対見ないようにします。躁を基準として何かを見積もると、すべてが無駄になってしまいます。

 

我ながら異常だと思います。軽躁でのエネルギーはすさまじい。でもそれを他人を傷つけることに使ったり、浪費や暴動に使ってしまったら、後でひどいことになる。人間関係が常に破壊の人生ですが、それも躁鬱のせいなのでしょう…自分の発言なんてまともに相手にされていませんし、相手にしてほしくないです、だって軸がぶれぶれなんですから。

 

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 だいたい治療薬がちゃんとハッキリしてないのがそもそも気に入らない。抗うつ薬で躁になったこともあるし、ラミクタール入れたらぶつぶつできて中止になったり、イフェクサーやめたら死ぬほどシャンビリに悩んだり、リチウムは中毒起こすし、今の処方でも完成とはとてもいえません。というかこんなに飲んで大丈夫か?感があるのですが、症状が落ち着かないから仕方ない。

寛解が遠い。完治はそもそも有りえない。これを甘えと断じるのはあまりに無知ではないでしょうか。

 

一生涯付き合わなければならないこの病気が、今より少しは認知されたらいいです。最近発達障害がブームだから、その流れでこっちにもフォーカスされないかな。

理解されにくいけど、しんどい病気です。