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金曜日の夜をめざして

なにかと生きづらい双極性障害グレーうつ病会社員のブログ

うつ病は心の風邪、とは間違いではないけれど誤解を招く表現であると思う

うつ病心の風邪

この言葉を聞いたことがある人はとても多いのではないでしょうか。

もとは製薬会社が抗うつ薬を売り出す際に制作したキャッチコピーです。

なるほど、心の風邪とは上手な表現です。

どんな人にもわかりやすい言い方なのではないでしょうか。

しかし、わたしはいちうつ病患者として、「心の風邪」というコピーに疑問を持つことがあります。

うつ病は誰でもかかる可能性がある病気

誰にでもかかる可能性があり「俺は心が強いから大丈夫」「うつは心が弱いやつだけがなる特殊な病気」なんて理論が通用しない。それがうつ病という病気です。

 

うつは心の風邪、そのコピーは、「うつが誰にでもかかる可能性がある病気」「かからないように予防に注意しないといけない病気」という意識を広めるのには役立ったんじゃないかと思います。

 

うつ病はいまや全く珍しい病気ではありません。日本のサラリーマンの5人に1人がうつ病と言われる時代です。生活習慣病の一種と言ってもいいでしょう。これを「心が弱い」「甘えてるやつしかかからない」そのような前時代的な思い込みで否定するのは、そろそろ厳しいでしょう。ばりばり元気に仕事をしていたはずの人が、ある時から塞ぎがちになり、仕事ができなくなり、出社することすらかなわなくなる。そんなことが普通に想定されるのがうつ病です。むしろ、ばりばりと精力的に仕事をしている人ほど、いきなりうつ病のエアポケットに落ち込んでしまうかもしれませんね。

 

すぐ治る病気ではない

わたしが「うつはこころの風邪」という表現に疑問を抱くのはここです。

こころの「風邪」なら、治療すればすぐに治るんじゃない?薬を飲めば元通りになるんじゃない?という認識を持つ人がいるんじゃないか、ということです。

 

残念ながら、うつ病は風邪のようにあっさりと治ってくれません。

ねばっこく、しつこく、いなくなったかと思ったらまた現れます。

うつ病には「完治」という概念がありません。代わりにあるのは「寛解」です。

要は、再発せずに過ごし続けれられるかが、うつ病と付き合う上で大切なポイントなのです。

 

風邪なら、一回治ってしまえば、また元通り、です。

 

しかし、うつ病はそうはいきません。一度壊れた心は、もとには戻りません。発病前のこころとからだに戻ることはできません。気力体力は大幅に落ちますし、パフォーマンスレベルも落ちます。会社員をしているのなら、会社員としての生産性が落ちるのは間違いありません。あたりまえのことがあたりまえにできなくなるのですから。それが延々と続くのですから。治ったと思っても、つねに再発のリスクと隣り合わせで暮らし続けなければならないのですから。

 

わたしが「こころの風邪」という表現に疑問を持つのは、ここです。休んで薬を飲むことはとても大切ですが、かといってそれをしたからすぐに治るわけじゃなりませんし、治ったからといって再発しないとも限りません。うつ病で休職した会社員は、高い確率で再休職します。うつが本当にこころの「風邪」であるならば、再休職が多い理由が説明つかないでしょう。

 

うつ病はこころの「なに」?

いろいろ考えてはいますが、今のところ、こころの風邪というには、うつ病はずいぶん長引く病気なんじゃないか?と思わざるを得ません。

  • 誰でもかかる可能性のある病気
  • 予防の重要性
  • 薬物治療が重要
  • 再発のリスク
  • 完治ではなく、寛解という表現を使う
  • 簡単に治る病気、と限らない
  • 忘れたころに悪化する
  • 「死」がいつも自分の近くにいる感覚がする

 

実際のところ、うつに対してはこのような認識です。風邪、というにはハードすぎる印象があります。「うつって心の風邪なんでしょ?だから休めばすぐに治るでしょ」そういうわけにもいかないんです。

この独特の頭の重たさとつらさ、罪悪感、無力感、自責感を引きずって生き続けていくのはとても大きな苦痛です。この病気からいつか完全に決別できる日が来ればいいのですが…増量したリフレックスがうつを改善してくれる気配もなく、結構しんどい毎日です。