金曜日の夜をめざして

うつ病とかいろいろ

「うつなのに元気そうだね」という他人の言葉への猛烈な怒り

メンヘラ会社員のもみじです。

うつ病の治療をしながら毎日会社で働いています。

ほかの社員と比べると業務量は軽いですが、それでも毎日、「誰かがしないといけない仕事」をやっています。

社内ニートになりかけるときもありますが、自分にできることを見つけて体力が許すかぎりは仕事をするようにしています。

残業はできません(医師から禁止されている)が、フルタイムで働いています。休み休みではありますが。

「元気そうだね」

「元気そうだね」「病気だったと思えない」「完全復帰できたみたいだね」

人からこのような言葉をかけられることがあります。

わたしはこのような言葉に、困惑、不快感、ひどいときには怒鳴り散らしたい衝動にかられることがあります。このような言葉への対応に本気で困ることがあります。

本当は適当に流せばいいのでしょう。「はは~」とか意味のないあいづちでも打って適当に流しておけばいいのでしょう。どうせ相手も大した意味で言っていないのですから。こちらも意味もないあいづちで流せばいいのでしょう。むこうの「元気そうだね」はあいさつみたいなものですから。真剣に受け止める必要もないのでしょう。

 

 

だけど、異様に腹が立つのです。なにがそんなに不愉快なのだと聞かれても、自分でもよくわからない。とにかく相手への敵意が先だって、厳しい言葉で相手を傷つけてやりたいという欲求が出てしまうのです。

「元気そうだね」と言われると腹が立つ。元気なわけがないからです。元気なふりをして生きざるを得ないからです。元気じゃないそぶりを見せたらここにいられなくなるから、うそをついているだけだからです。

 

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だから「元気そうだね」」と言われるということは、私の演技はうまくいっているということでしょう。そのこと自体は喜ばしいのですが、問題は「元気そうだね」と言われることに異様に腹が立ってしまうことです。こちらのことを何も知りもしないくせに表面だけでわたしの体調を知ったような顔をしないでほしい。無神経だ。

 

うつの痛みは他人には伝わらない

うつになって、治療をして、なんとか社会復帰できるまで回復して、毎日死ぬ思いで働いていて心底感じたのは「うつの痛みは他人に伝わらない」ということです。

 

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他人の痛みをわかる人間など、ごく少数でしょう。たとえば女性の生理痛。重い人は本当に重いです。家から出られず、一日寝ていることしかできないほど重い人だっています。会社によっては「生理休暇」が特別にもうけられるくらいです。

しかし、その痛みに共感して、理解する人が多いとは、限りません。その痛みは個人差があります。「わたしは痛くない」という人もいれば、「わたしだって痛いけど毎日がんばって仕事しているわよ。生理くらいで働けないなんて甘えよ。なまけるな」という人もいるでしょう。

「生理痛は甘え。私だって我慢してるから」男性よりも女性の辛辣な声に心が折れそう | by.S

同じ女性でさえ、こうなのです。ほぼすべての女性が経験する生理、そしてそれに伴う生理痛。それに対する認識ですら「他人と痛みを共有する」ことに問題が発生するのです。

 

ですので、うつの痛みなんて、他人に理解してもらうことなんて夢のまた夢です。

だって、目に見えた症状が出ないんですもの。骨が折れるわけじゃないし、出血するわけでもない。余命宣告されたわけでもない。他人が痛みを想像するための具体的なデータが足りないんです。

だから「だるい」「つらい」という抽象的な言葉で表現するしかないのです。そして「(うつの)だるい」は「(健常者の)だるい」とは全く種類が異なる苦痛であるにも関わらず、健常者には後者としてしか受け取られず、「だるいからって会社を休むなんて、甘えだ。なまけだ」と非難を浴びるわけです。

 

※余談ですが、生理痛への配慮は、女性より男性のほうが対処してくれることが多いと、経験上思います。男性は生理痛が「どのような痛み」かを知ることはできませんが、こちらが「症状」と「どういうことが不可能になるか、こういう配慮をお願いしたい」という旨を適切に説明すると、話が通りやすいです。「そうか、女性にはそのような痛みがあるのか。お大事にな」と納得してもらいやすいです。同じ女性、特に「生理痛が軽い女性」「生理痛が重いのにがんばっている女性」には、論理的に説明したところで「あんな程度の痛みでへばるなんて甘い!」と言い返される確率が高いです。「経験」と「納得」は比例しないという好例でしょう。どうして人は「自分が乗り越えられた痛み」に対してあんなに厳しいのでしょうね…?

 

理解されないなら、隠すしかないじゃないか

闘病中、わたしは幾度も「うつのカミングアウト」を試みました。

近辺の人に「このような症状が出てつらい」「死にたい」「苦しい」と言ったことを、何度も伝えました。自分の苦しみを知ってほしくて。

 

その結果、どうなったかって?

その人たちは離れました。心の距離は広がりました。理解してもらうどころか、気味悪がられました。腫れ物に触る態度に変わりました。「うつ」という面倒くさい気持ち悪い病気に搦めとられたわたしから、何人もの人はいなくなりました。

 

今、私の周りに残っている人。

それは「うつを伝えていない人」「軽い付き合いの人」「軽いノリでしか症状を伝えていない人」に絞られます。

 

つまり、他人に自分の痛みを理解してもらうことは、相手に非常に大きな苦痛を強いることなのです。

その苦痛を背負ってまで、人付き合いをわざわざ続けたいか?うつ病もちのメンヘラとかかわり続けたいか?

 

多くの人はNOでしょう。わたしが健常者でもNOと言うと思います。だって、年がら年中「死にたい」「つらい」「わたしが生きていても意味がない」って言われ続けていたら、こっちまで死にたくなります。誰だって、わざわざ他人の痛みを引き受けたくはありませんから。自分のことで精いっぱいなのに。

 

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ですので、わたしは極力自分がうつであることを伝えません。残業ができない理由・飲み会に参加できない理由を伝えるときのみ「医師から禁止されているから…」といったニュアンスで、自分の体調がまだ万全ではないことを伝えます。

「うつを伝える」ということは、「相手に大きな荷物を背負わせる」ことです。「近くにうつの人間がいるという事実」を安易に他人に背負わせるということはエゴであり、罪であり、病気であることを盾に取った暴力です。少なくとも、わたしはそう思います。

そして、うつと伝えられたほうは、安易に「この人を助けなければ」という使命感を抱いてはいけません。下手すると共倒れの可能性があります。

 

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ですので、わたしは「うつである」ことを極力人には言いません。その代り、他人に安易に「元気そうだね」と言われることを極端に嫌います。

自分がひた隠しにしている痛みの存在も知らずに、適当なことを言われると無性に腹が立つのです。元気なわけがないだろう、お前もこの痛みを背負ってみるか?本気で死にたくなるけどそれでもいいのか?と胸倉つかんで叫びたくなります。

 

頼むから、安易に人の調子についてあれこれ言ってこないでほしい。

太ったとか言うな。リフレックスで太ってるんだから仕方ないだろう。

 

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元気がないとか言うな。中途覚醒が続いて1日2時間しか眠れない日々が半月続いて元気な馬鹿がこの世のどこにいるというのだ。

 

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飲み会に来ないとかノリが悪いとか言うな。薬を飲むタイミングがずれたら、道端で昏睡して倒れて救急車で運ばれてもおかしくないから一日の生活リズムを死ぬ気で守っているんだ。

 

自分の状況をよく知りもしないくせに、そして知ったところで何も手助けしてこないくせに、分かった風にあれこれ言ってくるな。

こちらは社会人と言うペルソナをかぶって生活するので一日の気力体力の99%を使い果たしているのだ(プライベートの時間は、服薬のための食事、服薬、闘病記録をつける、安眠のための入浴、睡眠、最低限の家事、通院でほぼ消えていく)。こちらの苦労をよく知りもしないくせに安易に「元気そうだね」なんて言わないでほしい。

 

元気すぎる場合は躁の可能性があるかも?

わたしはうつ病と現在は診断されていますが、双極性障害疑惑もあります。

 

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 知人の双極性障害の人を見ていると、本当に大変そうです。ジェットコースターのように行動パターンが上下します。うつのときはわたしのようにさっぱり動けなくなるのですが、躁になるとどうしたんだ?!と言わんばかりに動き回ります。

「うつなのに元気そう」…そう言われたときは、もしかしたら双極性障害の疑惑も頭の片隅に置いておいた方がいいのかもしれません。双極性障害の知人は最初「うつ病」と診断されていましたが、躁になってあっちこっちに遊びまわりそれをSNSにアップし、異性との恋愛関係が一気に乱れ始めたところで受診し、「双極性障害」に診断名が変わりました。

「元気なうつ」というのはもしかしたら別の病気の可能性もはらんでいるかもしれません。要注意しておくべきでしょう。